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わたしの富士山写真コンテスト


「マニアの晩酌」 見富 昌信
「マニアの晩酌」 見富 昌信
年齢は見ていないが、写真を見るとあきらかにこの作者は年寄りである。
富士写真のコンテストがある。すわ、かけずり回って富士アイテムを拾い集めて来た。そんな様子が伺える。
富士山という名の清酒、富士が描かれた湯呑み、同じく富士が描かれたおつまみ皿と、その前の大皿。面白いのはこれらすべての富士アイテムが三流品であるということだ。清酒もいかにも不味そうである。おつまみのピーナッツもしょぼいし、夕日に見立てたのか梅干しもまた型くずれしたその辺のスーパーマーケットでワンパック198円で買って来たような梅干しだ。
だがこの庶民性が泣けて来る。
ここで古伊万里の富士なんか出て来たら逆にしらけるのだ。この三流富士アイテム写真、ライティングのしょぼさも相まって老人の手遊びが伝わる温かい写真である。
講評 審査  写真家 藤原新也
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